平成10年度卒業研究優秀賞

竹林一美

『しのごころ』(金属工芸)

金属板は焼なますと軟らかくなり、たたくと伸びる性質がある。この性質を利用した「鍛金」という技法とアルゴンガス等の溶接で、“しのごころ”は誕生。全体のボリューム感や所々に見せる動きから、ふと“こころの中”を感じ、こう名付ける。

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林香織

「木材による家具制作〜椅子〜」(木材工芸)

動植物がもつ自然の美しさ、曲線・曲面の美しさからヒントを得て、家具の形態の中に生命感を表現。家具制作に使用した木材は、マホガニー、ウォルナット、ブナ、ナラ等の板材である。まず、大きな板材から各部材を木取りして製材する。各部材は切削・研磨して成形。ノミやノコギリなどの手道具、ジグゾーやジスクグラインダなどの電動工具を使用した。

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渡辺美保

『菱田春草の朦朧体期以後の画風の変化』(日本美術史)

 菱田春草の作品については、朦朧体期以後の晩年の作品が高く評価されているのに、それがどのようにして生まれたのか、言い換えれば春草は朦朧体と呼ばれる描法をどのような理由と方法で改善して あるいは捨てて 晩年の作品に辿り着いたのか、従来の研究では整理されていない。この論文ではそれを明らかにしようとした。しかし正直なところ、一番気を使ったのは「簡潔な文章を書くこと」。もっと内容について広く、深く研究するべきだったと、反省。

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